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TRPGとメタルフィギュア好き。 現在オンセはD&Dしています。 タイトルの由来はダイエットしなくちゃならないところだから。
D&Dのショートセッションやってます!
わたしは22歳だけどかわいい感じのしない宿屋のおかみさん!
ウォーハンマー時代のPCが開いていた「k-2(けーつー)」というクソみたいな名前の宿屋を、こちらの世界にも持ち込んでいます。
そんな、「雰囲気感じてもらうテキスト」作りました。
とりあえず、自分と、ターニャと、名前だけヘミングウェイ 。
あと、ウォーハンマー時代のドルウェン。

どうぞ、ご賞味あれ。




宿屋の地下~千年前の勇者が閉じた部屋にあるもの~


「誰が読むのよ、こんなメニュー」
マルガリタリは難しい顔をして、達筆すぎて読めない自分の酒場のメニューをじっと見ていた。
彼女は困っている様子だが…その顔は、「卑屈な笑顔で媚へつらう店主」の顔だった。
(もちろん、彼女自身この顔がとても嫌いであったし、客が増えないのもこの顔のせいであったが、誰も面と向かって指摘はできないでいた)
友人…というのだろうか、大富豪の息子のヘミングウェイが代筆を快く受けてくれていたが、彼の字は大変な達筆で、彼女には解読できないでいた。
「もう…貴族さまのお夕飯じゃないんだから」
そう呟いたとき、酒場の給仕として雇っているターニャが酒場に飛び込んできた。
「おかみさん! 大変です! とうとう来ちゃいました!」
「何が?」
「お役所の人です! ここの地下見たいって!」

マズいな。
管理者としての本能がそう告げていた。
きっとこの地下には何かあるはずだから、と。

◆ ◆ ◆


OK-2。
この酒場の名前は以前の持ち主がつけたようだ。この記号は「おーけーつー」と読むらしい。これがどういう意味を持つか、マルガリタリは知らない。
宿屋の前の持ち主は「ドルウェン」と名乗る男性のエルフだ。マルガリタリがまだ一人で旅の行商人をしていたころ(当時は付き合っていた男性と同行していたが)、その彼から頂いた宿屋なのだ。
たまたま一緒になった野営の席で意気投合し、話に上った宿屋を譲ることを提案してくれた。

「なるほど。この宿屋、あなたが店をかまえたいって言うなら、酒場と二階の宿屋の部分をあげてもいいですよ」
「は!まじで?金は?あたしそんなに持ってないよ?でもいくらで売ってくれるの?」
「いえいえ、お金は要りませんよ。地下の部屋は私が管理するので、地上をお貸しするだけですからね。ですが、まったくのタダでというわけにもいけませんから…そうですね、「彼」の名前を教えてくれれば」

ドルウェンと名乗ったエルフは、目線を少し離れたところで馬の世話をしていた男性に送った。
彼はマルガリタリが付き合っていた男性だ。

「あ、相棒の? いいよ。名前だけでいいの?」
「いいんです(ニコ)」

マルガリタリは、あまり深く考えるのを得意としていない。
タダより高いものはないという言葉も、当然知らない。
そんなわけで、当時マルガリタリが付き合っていた男性の名前を告げるだけで、彼女は(借家かもしれないが)一城の主となったのだった。
その後、付き合っていた男性はその晩のうちに風のように消えてしまったので、彼女にしてみれば「過去の男」となったため、名前を教えてしまったことについてもそれほど心が痛まなかった。

その時、エルフの男からは、一つだけ言われていたことがあった。

「ただし、地下だけは開けてはいけません。あなたにあげるのは地上だけです。地下は私の場所だということだけは覚えておいてくださいね」
「へえい、おっけー」

実際に建物に行ってみると、その家は長い間使われていなかったらしく、いらない家具やごみであふれていた。
マルガリタリはすべてのゴミをまず2階に上げて、1階部分の酒場といくつかの宿だけ先に開業することにした。
今、酒場だけ空いてあいているのは、そういう訳である。


◆ ◆ ◆


地下については、言われたとおりにその後も一切触れていなかった。
なので、何があるかは全くわからない。

「やばいじゃん、だって、地下はアタシのものじゃないもん、あけらんないよ」
「でもー、お役人が来るんですよ。あけなさいってなるんじゃないですかね」
「えー…あたしは開けちゃだめって言われてるからあけないよ」
「でもー…あ」

コンコン、バーン。

マルガリタリとターニャの返事を待たずして、扉が乱暴に開く。
アイゼルのお役人が複数人、ガチャガチャと音を立てて入ってくる。

「(客じゃない奴の訪問ってほんとメーワク)」
「おい、店主はどちらかな?」
「アタシですけど」

役人はフンと鼻をならす。

「姉さんが店主か。ダンナはいないのか、もう嫁いでいてもおかしくない歳だろうが」
「悪かったね! ダンナはまだいないけど、それと経営の腕前は別だろ? 何の用なのさ?」

まだ22歳、まだ22歳と心で何度かとなえる。
10代で結婚してないからって、子供を産まないからって悪いなんてことはない!
はず!
多分!

「私は近衛隊長のアールフという!領主のお言葉を伝える!ほれ、ここに領主の印を押した書状があってな」
「それで何さ」
「読めないだろうから読んでやるよ…おーけーつーの所有者(以下甲)はその所有する場内(以下乙)について役人に閲覧させなければならない」
「…どういう意味よ」
「つまり、室内を改めさせてもらうって意味さ。問題なければ、私らに見せても困るモンはないだろう?」
「まあないよ…あ!」

マルガリタリは大声を出し、察しの早いターニャは店主の浅はかさに「やっちまったか」の顔をする。
これじゃあ完全に見せて困るものがあると言ってしまったようなものだ。

「それじゃあ改めさせてもらうよ」
「ちちちょっとまって」
「おかみさん、見てもらいましょうよ」

ターニャは助け船を出す。このままでは、マルガリタリが自爆してしまうからだ。

「二階はまだ片付いていませんので、一階の酒場だけ営業しています」

ターニャはうまく説明できないおかみの代わりに通訳をする。

「二階に行かせないようにったってそうはいかんぞ! ベーター、ガンマーン、二階にまわれ!」
「はっ!」

二人の役人は二階に行ったが、確かにすぐ帰ってきた。

「…テーブルやベッドやゴミが山のように積んであって、入れませんでした」
「…入れないのか」
「入れません」
「…わかった…他を探れ!」

他の客も騒ぎ出す。

「隊長、あとは地下の入口も見つけました!」
「うわ!」
「でかした!地下を重点的に探れ!」
「ですが…鍵がかかっています!」
「これ女店主! この鍵をあけるのだ」
「それが人にものを頼むぐ…」

ターニャが口を押さえるので、語尾が「むぐ」となる。
これは彼女の癖ではないが…この光景も、知っている者なら、すでに日常茶飯事だ。

「あー、こちら、この家の持ち主が鍵を持っていて、開けられないのですー」

何かとけんか腰であるマルガリタリに変わり、ターニャが返事をしてやる。
彼女は、このほうが丸く収まることを理解してしている。

「じゃあ壊せ」
「はっ!」
「はあ?人んちのむぐ…」

上官の命によって動く兵士たちを制止しようとして、マルガリタリは騒ごうとしたが、ターニャにまたもや阻止される。

「あの!壊れたカギは弁償していただけるので?」
「できぬ!」
「それは困ります。危険があれば酒場は営業できません。営業できなければ、売り上げも上がりませんから、税金が納められません。お役人さんが税金をおさめられないようにしたなんて言いたくありませんから…」
「…そちはこの店のものか?」

「はい、ターニャと申します。私の働き口もなくなってしまうのは困ります…せめて、新しい鍵を買うだけの御取り計らいを」
「わかった。この羊皮紙にかかった金額を書いて持ってくるがよい」
「ありがとうございます♪」

兵士が扉に鎚を打ちつけて鍵を壊す。(後での請求書が面倒なのか、できるだけ木製の扉部分は壊れないように配慮してくれ、ゆがんだ程度で済んだ)

扉を開けた。

とたんに。

黄色い煙が上がった。

ターニャをはじめとして、そばにいたマルガリタリ、複数の兵士、隊長はすべてその黄色い煙に巻かれ、赤子が眠りにいざなわれるように容易くその場に倒れたのだった。


◆ ◆ ◆

マルガリタリは夢を見ていた。
うまく言えないが、「夢を見ている」実感があった。
体こそ動かないが、意識だけが勝手に動いている感がある。
横にはターニャの意識もいるように感じた。
夢なのに共有できることがあるのか、と思っていると、自分の意識の前に、エルフがいた。
地下の持ち主、ドルウェンだ。
すっとマルガリタリの前に立った。

「開けてしまいましたね」
「へぇい」
「仕方ない人ですね。助けてあげましょう。もう一人名前を教えてください」
「何?誰の?」
「ん…そうですね、先ほどの兵士の隊長さんがいいですね。一番おとし甲斐があ…さあ、彼の名前を教えてください」

ドルウェンのほほ笑みは深いものがあったが、マルガリタリはまったく気付かなかった。

「えーとね…アールフって名前」
「よしよし。わかりました。あなたと友達を先に目覚めさせてあげましょう」
「よかったーねえ、ドルウェンさん」
「我は汝らの精神のくびきから解き放つ!目覚めよ、人間の娘二人よ!」
「ねえねえ、ドルウェンさんって何者?」

魔法の詠唱中に平気で話しかけてくるマルガリタリに、詠唱を終えた霊体(アストラル体)のエルフの男性はほほ笑む。

「…私ですか?千年ほど前…人間の世界で旅をした、ただのエルフですよ」


どのぐらいの気絶だったろうか。
数秒か、はたまた数刻か。
目が覚めたころ、日の位置は変わらないようであったが、まるでビールの飲みすぎで夜を明かした酒場のように、すべての人が床に倒れてぐうぐうといびきをかいていた。
起きているのは、マルガリタリとターニャの二人。

「…ターニャ」
「…まってください、おかみさん。状況を整理しますから」


◆ ◆ ◆

ターニャの考えた案の通りにマルガリタリは素早く動いた。
アールフを探したが、彼の姿はもうなかったので、次にエラそうなベーターと呼ばれた男を椅子に座らせた。
手には彼の腰についていた羽ペンを握らせ、床に落ちていた領主からの親書を広げた。
その書類の最後に「適格 不適格」の欄があったので、適格に丸をつけた。
ほかの兵士も時間の許す限りテーブル席に座らせ、行儀よく書類が書きあがるのを待つ風に仕上げた。
地下への扉はしっかりと締め、さらにボコボコに殴って、物理的にあかないようにした。

大きな音を立てることで、ややしばらくして兵士たちが目を覚ましたので、あとはマルガリタリは卑屈な店主の笑みを浮かべ、説明はターニャがした。

「結局、われわれは地下に何を見たのだ?」
「何もなかったじゃないですか。覚えてないんですか?なにもないから、おもしろくなさそうな顔をした…あ、失礼しました…隊長さんが『あとの書類はお前たちでやっておけ』とおっしゃっていなくなったじゃないですか。しかもたいそう激しく扉をお締めになったから、扉ももう開きそうにないですし。あーあ」
「そうだったか…われわれはあまりにも眠くて」
「寝てたんですか!勤務中に!お役所の方が!」
「いやそんなことはないぞ」
「だったらきちんと覚えていてくださいよ、そこで見たものを」
「そう…だな」

結局、何一つわからないままのお役所の一団は、よくわからない書類を持ち帰って行った。

「ふー。おかみさん、なんとか追いやりましたね」
「また来るかな?」
「その前に、現場を放棄した隊長の責任問題が発生しますねきっと…まあ現場検証で誰かがまた来るかもしれませんが。それにしても…結局、地下には何があったんでしょうね?」
「わかんない、でも、『何もない』が正解っぽかったね。これからもそう言うわ、あたし」
「…ですね、私もそう思うことにします。開かなくなっちゃいましたから、もう証明もできないですし!」

2人の酒場の娘は、「これが結論」という顔で合意した。
タイプは違えど辿りつく所が同じ、というのが二人のよくある結論付けであった。




ターニャさんがかわいい!
それを強調したかった!w

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